ミニコラム~訪問鍼灸マッサージで実際にあった返戻
今回は、ミニコラムとして、実際にどのような返戻があったかを見ていきます。現場の情報を基に執筆しており、かなり貴重な情報だと思いますので、是非ご覧くださいませ。
【1.レセコン導入で防げる返戻】
・レセプトの月や日付の変更ミス
・レセプトの施術の合計額などの計算ミス
・往療内訳表とレセプトの訪問日の不整合
・同意書の期限切れ
レセコンを使わず、Excel等で作成している場合に起こりがちなミスですね。先月の分のシートをコピーして作成する場合、月の変更忘れが多発します。月を変える必要がある箇所が複数あるので、注意が必要です。
計算ミスも散見します。予めExcelに関数を入れている場合は減らせると思いますが、施術回数をそもそも間違えてしまうこともあります。内訳表との不整合はしっかりとチェックされますので、要注意です。
同意書の期限切れに関しましては返戻ももちろんですが、レセコン導入により自動管理ができるようになりますので、間接的にミスも防げるようになるでしょう。
【2.レセコンを導入していても起こり得るヒューマンエラーによるもの】
・書類の添付忘れ
内訳表や同意書、480円を算定しているのに施術報告書が付いていないなど、わりと起こり得ます。通常では中々考えられないと思いがちですが、患者数が増えてきたり時間に追われたりすると、比較的多く発生しますので注意が必要です。
・同意書のマッサージの部位に〇はあるが、「筋萎縮」「関節拘縮」の該当箇所に〇がない
・最終診察日より、同意日が過去の日付になっている
・変形徒手で、最終診察日と同意日が一月以上離れている(変形徒手を行いたい場合、一月に一度の診察は必須)
・鍼灸で「その他」に〇が付いているが、慢性疼痛の症状が読み取れない(例:廃用症候群)
・日付ミス(元号が一年前になっている、等)
同意書にまつわる返戻は比較的多く見られます。取得した同意書が上記に該当してしまった場合、同意医師に修正が可能かどうか、お願いするとよいかと思います。
・施術報告書の「月平均」未記入
・レセプト摘要欄未記入
細かいところですが、意外と多く見られます。返戻になるポイントは、この例のように独特なこともありますので、その点を抑えておけばかなり防げるでしょう。
・負担割合相違
・保険者相違
保険証関連もわりと見られます。負担割合相違は、患者様の保険証が変更され、負担割合が変わったがそれに気づかずそのまま提出した場合です。
2022年10月から、後期高齢も2割の方が出てきた関係で、発生頻度が上がっているようです。患者様宅の収入によって負担割合は変動するので、私達からは完璧に追いきれないのが難点ですね。
返戻は1~2か月後に来るので、これがあると連続で数ヶ月分返戻になる恐れがあります。患者様には、保険証に変更があった場合見せてもらうようお願いしましょう。
また、何らかの理由で途中で保険者が変更になったが、それに気づかなかったケースもあります。75歳の誕生日を過ぎて後期高齢に変わったり、ご家族様が仕事を辞めて扶養から外れたりなど、幾つか理由は挙げられます。
保険証の変更は中々気付きにくく、陥りやすい点です。100%防ぐのは難しいかもしれませんが、返戻が来てしまった時のため、迅速に対応できるようにしておきましょう。
経験してきた中では、上記の返戻が比較的多いようです。他にもレアケースの返戻などありますが、また機会があれば記事にさせていただければと思います。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。