業務コラム
COLUMN

ケアマネ報告書には、ご利用者様の「エピソード」を!

ノウハウ

 今回は、ケアマネ報告書の書き方に関して、私が考えるちょっとしたコツをお伝えできればと思います。これらはあくまで私の考えですので、「これが正しい」と主張するつもりはありません。ただ、もし書き方に悩んでいらっしゃる場合は、一つの参考にしていただければ幸いです。

 

 

 さて、以下、架空のケアマネ報告書ですが、仮にこんな感じで作成してみましょう。

例1

 3月は全9回訪問いたしました。当月も主訴である腰痛症状は毎回訴えがあり、動作開始時に顕著であるとのことです。施術の際にも、側臥位から仰臥位になっていただく際に顔をしかめることが多く、痛みが強いご様子です。施術では筋緊張の緩和を図り、疼痛改善に努めております。

 

 下腿浮腫も先月の水準と同様で、両下腿とも周径が35㎝となっています。ご本人様も脚の重だるさの自覚があるようですので、改善に努めております。

 

 

 いかがでしょうか?

 

 お身体のことで必要なことは過不足なく書かれ、これを提出して特に問題があるわけではないと思います。医師への再同意の報告書であれば、文句なしでしょう。

 

 ただ、ケアマネ向けの報告書だと、気持ち少し足りない印象があります。何が足りないでしょうか?

 

 

 そこで、例えば以下のように一文を付け加えるとどんな印象になるでしょう?

例2

 3月は全9回訪問いたしました。当月も主訴である腰痛症状は毎回訴えがあり、動作開始時に顕著であるとのことです。施術の際にも、側臥位から仰臥位になっていただく際に顔をしかめることが多く、痛みが強いご様子です。施術では筋緊張の緩和を図り、疼痛改善に努めております。

 

 下腿浮腫も先月の水準と同様で、両下腿とも周径が35㎝となっています。ご本人様も脚の重だるさの自覚があるようですので、改善に努めております。

 

 ○○様は大相撲が大変お好きで、加えて3月はご贔屓の力士が好調であったこともあり、上機嫌である日が多く見られました。

 

 これだけで、ケアマネさんに与える印象がどこか変化しませんか?例1は端的に身体の変化の報告のみですが、例2はちょっとしたエピソードを付け加えることにより、ご利用者様自身の人となりが見える感覚がないでしょうか?

 

 

また、このように書くといかがでしょう?

 

例3

 3月は全9回訪問いたしました。当月も主訴である腰痛症状は毎回訴えがあり、動作開始時に顕著であるとのことです。施術の際にも、側臥位から仰臥位になっていただく際に顔をしかめることが多く、痛みが強いご様子です。施術では筋緊張の緩和を図り、疼痛改善に努めております。

 

 下腿浮腫も先月の水準と同様で、両下腿とも周径が35㎝となっています。ご本人様も脚の重だるさの自覚があるようですので、改善に努めております。

 

 最近はご本人様も体重の増加を気にされていて、瘦せなければと思っていらっしゃるようですが、「つい目の前のお饅頭に手が伸びてしまうのよね」と苦笑されていました。

 

 ご本人様のちょっとしたエピソードから人柄や生活習慣がわかり、また腰痛の原因の一つ(肥満、食べ過ぎ)も想像しやすくなりますね。

 

 ケアマネージャーはご利用者様のサービス責任者ですが、ご利用者様と直接お話しをするのは原則月に1回のモニタリングの時のみであり、意外とご利用者様のことをご存じないことも多くあります

 

 一方私たちは、仮に週2回介入をしているのであれば、月8~9回は顔を合わせてお話しをすることになります。この何気ない日常の情報は、ケアマネさんにとって大変貴重なものなのです。

 

 

 エピソードを書くときのコツとしては、ネガティブなものはなるべく避けましょう。明るい話か、ちょっとクスッと笑えるようなエピソードを付け加えると、読んでいても楽しくなります。

 

 ネガティブな内容を書かざるを得ないときは、数を少なくするか、書き方を工夫しましょう。例えば、以下の要領です。

 

例4

 3月は全9回訪問いたしました。当月も主訴である腰痛症状は毎回訴えがあり、動作開始時に顕著であるとのことです。施術の際にも、側臥位から仰臥位になっていただく際に顔をしかめることが多く、痛みが強いご様子です。施術では筋緊張の緩和を図り、疼痛改善に努めております。

 

 下腿浮腫も先月の水準と同様で、両下腿とも周径が35㎝となっています。ご本人様も脚の重だるさの自覚があるようですので、改善に努めております。

 

 主介護者であるご長女様と、しゅっちゅう口喧嘩をして揉めている、とのお話しがありました。ただ、却ってそれがご本人様にとって良い刺激となっている側面もあり、ご本人様がそのことをお話しくださった際も、文句を言いつつも心なしか楽しそうにされていました。

 

 家族の文句を言いつつも、何だかんだそれが幸せだったりすることはありますよね。親子で常に口喧嘩をしていることはケアマネに報告をした方が良いでしょうが、深刻になりすぎないよう、良い側面にもフォーカスして書くと、読んでいて気分が良い文章になるのではないでしょうか?

 

 

 繰り返しますが、この内容が「絶対に正しい」というつもりはありません。ただ、読んでいて楽しくなる文章を意識すると、患者様はもちろん私たち施術者の印象も良くなると思います。書き方で悩んでいる場合は、是非参考にしてみてくださいね!

 

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

 

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