症状編~浮腫~
①はじめに
②浮腫とは
③浮腫の原因
④訪問鍼灸・マッサージの関わり方
⑤さいごに
①はじめに
こんにちは!今回のブログもアッシュが担当させていただきます、よろしくお願いいたします!症状編4回目、今回はかなり多くのケースで見られる「浮腫」について記していきます。
浮腫に関連する症状は本当に多岐にわたり、ひと言で説明できるものではありません。ただ、これらをしっかり把握していると、患者様に対応を的確にアドバイスできますし、ケアマネ営業時にもはっきり説明できるので、信頼が得られると思います。
②浮腫とは
浮腫とは、間質液の増加により腫脹が生じた状態です。好発部位はふくらはぎ、足首から足背にかけてですが、手や顔に出ることもあります。出現部位である程度原因を推測できる場合もありますので、どこに出ているかもしっかり把握しておきましょう。
下腿に浮腫があると重さを強く感じるため、歩行が億劫になります。すると運動不足になるため、ADL低下が進行したり、廃用症候群やロコモティブシンドロームのリスクが上昇したりすると思われます。「たかが浮腫」と侮るなかれ、です。
③浮腫の原因
浮腫は、様々な原因から発生します。それぞれ特徴があるので、見ていきましょう。
浮腫の原因 |
好発部位 |
特徴 |
腎臓 |
顔や手足 |
高血圧、息切れ、乏尿 |
心臓 |
下腿中心 |
呼吸困難、夕方増悪 |
肝臓 |
下肢 |
肝硬変の諸症状を併発 |
栄養障害 |
全身 |
アルブミン不足 |
その他にも、ホルモン異常によるものや、リンパ性のものも考えられます。
浮腫は単独で現れることは稀で、多くは別の疾患とともに現れます。逆に、浮腫の特徴から特定の臓器の不調を推測することも可能です。問診の際も、現病歴や既往歴を忘れずにお尋ねしましょう。
諸々の情報から、なぜその浮腫が現れたかを把握することで、適切な対応ができるようになります。「単なる運動不足」だけで終わらせないよう、要注意です。
④訪問鍼灸・マッサージの関わり方
訪問施術を実際に行っている方は実感されていると思いますが、浮腫はかなりの確率の患者様において、症状として現れています。ほとんどはご高齢の方ですので、運動も不足しがちですし、改善のきっかけを掴めない方も多いと思われます。
先に述べたように、訪問においては何かしらの原初疾患に付随して現れることが多いですので、考えられる原因を患者様にお伝えし、納得してもらった上で、生活習慣の改善などを促す必要があります。
浮腫は静脈還流が不良な状態ですから、施術によって一時的に改善させることはもちろん可能です。自動運動や他動運動も行い動きを大きくすることで血流をさらに良くし、還流を促しましょう。
ただ、浮腫が強いと圧痛も強いケースがあり、患者様の負担が大きくなることも考えられます。治療に効果的なポイントだとしても、強く刺激するのは控えた方が良いでしょう。
浮腫の場合は施術前と施術後の周径などを計測し、客観的な数値を交えて判断すると治療経過が把握しやすく、患者様も納得しやすいでしょう。報告書作成の際も、客観的な数値を交えると印象が良く、信頼されやすいと思います。メジャーなど計測できるものを準備しておきましょう。
⑤さいごに
訪問鍼灸・マッサージで介入する患者様で、程度の差こそあれ浮腫の症状がある方は多いと思われます。考えられる原因として、運動不足、肥満、内臓疾患、座りっぱなし、寝たきり…いくらでも考えられるのではないでしょうか。
故に需要も多いと思われるため、あらかじめ情報を見直して、的確に施術や説明をできるようにしておくといった準備が大切になってくるでしょう。
この文章が、少しでも皆様の助けになれば幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました!